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こんにちは!
3姉妹育児の合間に月10冊、読書を愛して止まない、管理人のみさです🥰
お正月の帰省中に「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の1、2とも読破しました。
読んで、これは子どもを持つ人に全力で勧めたい名作だと実感。
簡単なあらすじ、おすすめの理由、名言をレビューさせていただきます🙌
簡単なあらすじ
タイトルにも入っている「ぼく」は、著者ブレイディみかこさんの一人息子。この本は「ぼく」のイギリスでの中学校生活を、ブレイディみかこさんの視点で綴ったものです。
いわゆる良い子ちゃんが集まるカトリックの小学校に通っていた「ぼく」が選択したのは、同じようなカトリックの中学校ではなく、地域の「元底辺中学校」。そこで待っていたのは、カトリックの小学校にはいなかった、多種多様な事情を持つ多種多様な友人と家族。
「ぼく」はその元底辺中学校の生活や、先生たち、友人たち、その家族たちとの関わりを通して人生を学んでいきます。
注目すべきは、日本人だと想像もできないような、ぶっ飛んだ多様性。
ハンガリーからの移民で、レイシストのダニエル。
シングルマザーの母親を持つ、貧乏なティム。
コンサート会場を熱狂させたソウル・クイーン。
「ノンバイナリー」の教員たち。
LGBTQや環境問題、国民投票、緊縮財政下での国民の暮らしなど、政治の大きなうねりが多様な人々にどのような影響を及ぼしているかが非常によく理解できます。
多様性は、この物語のメインテーマ。
登場人物のそれぞれの「事情」が、元保育士、音楽ライター出身のブレイディみかこさん独自の切り口で書かれており、それがバツグンに面白いのです。
みかこさんご自身も、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の“はじめに”でこう仰っています。
正直、中学生の日常を書き綴ることが、こんなに面白くなるとは考えたこともなかった。
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー, ブレイディみかこ(著), 新潮社
おすすめの理由
この本を「子どもがいる人みんなに読んでほしい!」と思う理由は、ブレイディみかこさんとぼくの会話です。
ぼくが「無知」について「つまり、バカなの?」と母ちゃん(みかこさん)に聞いた時の返答はこうです。
「いや、頭が悪いってことと無知とは違うから。知らないことは、知るときが来れば、その人は無知ではなくなる」
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー, ブレイディみかこ(著), 新潮社
なかなか、パッと言えなさそうな返答ではありませんか?🤣
これを読んで、「こんな返答、母ちゃんに求められても無理ぃ〜😭」と感じるかもしれませんが…。要は親もしっかり考えて返答することが大切だと、そういうことだと思うのです。
これ以外にも母と息子の会話が多数出てくるのですが、ブレイディみかこさんは「好き」「嫌い」の感情論だけでなく、客観的にみてこれはこういうことだとしっかり説明していますし、めんどくさい多様性の中で成長していく「ぼく」の議論相手としての役割をしっかり担っています。
小学校、中学校と子どもが成長していく中で、息子の一挙手一動をどうこう言うわけでなく、これってどういうこと?に淡々と答えてあげる。なんだかそんなたくましい母親の姿を見せてもらった気がして、うまく言えないのですがグッとくるものがありました。
今はまだ小さい我が子たちですが、長女も昨年の春に小学生となり、色々と深いことを聞いてくるように。今回、ブレイディみかこさんが本の中で見せた「『中学生の母親』の背中」。私にとって、とても刺激になるものでした。子どもたちがもう少し大きくなってから、また読み返したい物語です😊
母目線では、子どもの権利についてしっかり学んだり、大人の投票と一緒に子どもの投票も行ったり、さらにFGMの授業なんてあるイギリスの教育についても学べ、とても参考になります!
名言・感想
ここからは名言と、それに対する私の感想です🥰
多様性
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー, ブレイディみかこ(著), 新潮社
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」
(中略)
「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」
まさに多様性について、みかこさんが「ぼく」に説明しているシーンです。地球だって生物の「多様性」によって、豊かな自然が形成されていますよね。
ちなみに、子どもたち(と私)が大好きなプリキュアシリーズ。
2019年度の「スター☆トゥインクルプリキュア」のメインテーマはまさしく多様性でした。
参考:“多様性を否定する人”を否定しなかった、『スター☆トゥインクルプリキュア』という作品。
エンパシー
(前略)
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー, ブレイディみかこ(著), 新潮社
エンパシーは(empathy)は、「他人の感情や経験などを理解する能力」とシンプルに書かれている。つまり、シンパシーのほうは「感情や行為や理解」なのだが、エンパシーのほうは「能力」なのである。
(中略)
シンパシーのほうは、(中略)、自分で努力をしなくとも自然に出て来る。だが、エンパシーは違う。自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。
エンパシーという言葉を初めて聞いたのですが、シンパシーの「共感」だけでなく「想像する力」が大切というのは腹に落ちました。「ぼく」はエンパシーのことを自分で誰かの靴を履いてみることと説明しています。こうしたことをしっかり教えているイギリスの教育、素晴らしいですね。
ハーフ・アンド・ハーフ
「今日、プールでさ、『ハーフ』って日本語の話してたじゃない」
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー, ブレイディみかこ(著), 新潮社
「うん。ひどい表現」
(中略)
「でもね、最近は、『ダブル』っていう人が増えてるみたい。『ハーフ』じゃなくて、『ダブル』」
(中略)
「それもなんか、僕は違和感ある。(中略) 『ハーフ・アンド・ハーフ』でいいんじゃない?半分と半分を出したら、みんなと同じ『 1 』になるでしょ」
(中略)
「『ハーフ』とか『ダブル』とか、半分にしたり2倍にしたりしたら、どちらにしてもみんなと違うものになってしまうでしょ。みんな同じ『 1 』でいいじゃない」
外国人と日本人の間に生まれた方のことを、日本ではハーフと呼んだりしますが、ダブルという言い方を10年ほど前に聞いて「なるほど〜」と思った私です。
当時「ダブル」をすんなり受け入れてしまった私でしたが、「みんな同じ『 1 』でいいじゃん」と言った「ぼく」の視点がとっても素敵だなと思いました。
「俺のようになるな」
「『俺のようになるな』って、そういうことを子どもに言わなくちゃいけない父ちゃんの気持ちを考えると、なんか涙が出てきちゃって…」
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2, ブレイディみかこ(著), 新潮社
「…父ちゃんが、かわいそうになっちゃった?」
「いや、かわいそうっていうか、そういうんじゃない。ただなんか、あのシチュエーションは悲しかった。言ってる父ちゃんも、言われてる僕も、悲しい」
「労働階級のもののあわれ」みたいな感覚がこの年齢でもわかってるんだなと思った。
「俺のようになるな」「私のようになるな」は、昔からよく使われてきた言葉ですが、言われる方はたまったもんじゃないかもしれませんね😂みかこさんご自身も実の親に対して「あんたのようになろうがなるまいが、私の勝手だ」といった内容の発言を、本の中でされています🤣
先生のポリシー
いろいろ違う考え方を持ち、いろいろ違う活動をしている先生たちがいるからこそ、それぞれ違う個性や問題を抱えた子どもたちに対応できる。多様性のある場所は揉めるし、分断も起こるが、それがある現場には補強し合って回っていく強さがある。
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2, ブレイディみかこ(著), 新潮社
「ぼく」が通う中学校には、それぞれさまざまな社会活動をされている先生方がいて、衝突しながらも結果的にカバーし合って成り立っている様子を見たみかこさんの感想です。私自身いろんな社会問題に関わってきたので、このことはものすごくよく理解できます。
多様性があることで、多様な社会問題に対応でき、多様な人やモノを救うことができるんだな〜としみじみ感じました。
多様性があるということは、この世の救いですね。
リーダーの資質
「リーダーの資質」について、(中略)
引用元:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2, ブレイディみかこ(著), 新潮社
「導く(LEAD)ということは、前から引っ張るということだけではなく、ときには一番後ろに立ち、後部が離れてしまわないように押し上げる(PUSH UP)こと」
単純に、この部分はとても好きです(笑)。引っ張ることも、押すことも、どちらもできる人が真のリーダーなのかもしれませんね✨
まとめ -全ての人に読んでほしい超おすすめ本!-
名言の項目で引用させていただいたような母と息子の会話。この本の良さは、これにつきます。ぜひ本を読んでみてください✨
全ての方に読んでほしい名作です。漢字を読めるようになったら、子どもたちにもおすすめしたいと思います🙌
1は、文庫が出ていますよ🥰
今回も読んでいただき、ありがとうございました♪
Twitter、Instagramも、よろしくお願いします!😊
では、また💖
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